四季の違いがはっきりしている日本。そして、昔から二十四節気と七十二侯といった自然と寄り添った生活に関する言葉があります。そのような季節の移ろいを感じながら、少しでも日々の生活を楽しめたらと思います。
小暑
ちょうど梅雨が明ける前後の頃、夏の暑さが本格的になってきます。十一節気となります。梅雨とは、梅雨前線と呼ばれる停滞前線が日本本土上を南北に上下しながら停滞して雨などぐずついた天気がしばらく続く状態。この停滞前線が太平洋上の小笠原気団の高気圧によって南から北へ押し上げられることにより、梅雨が明けるとされます。その結果、日本全域が高気圧の小笠原気団に覆われることで暑い日々が続きます。その初期の頃が小暑といえるでしょう。
現在の7月7日から7月22日頃にあたります(暦により前後することがあります)
梅雨が明けると本格的な夏がやってきますね。暑い暑い毎日が続くと同時に、青空と入道雲、夕立と雷のイメージもありますね。
温風至
あつかぜいたる。三十一侯にあたります。小暑の初侯。
期間
7月7日から7月11日。
侯の意味
厚く感じる風が吹き始める頃。南から湿った熱い風が流れ込むようになり、入道雲が発生しやすくなり、急な夕立や雷雨が降りやすくなる。
蓮始開
はすはじめてひらく。三十二侯にあたります。小暑の次侯。
期間
7月12日から7月16日。
侯の意味
蓮の花は夜明け頃に咲き始める。ひっそりとした明け方に蓮が咲く様子は、まだ涼しい朝の幻想的な風景ともいえる。
夜明け頃の涼しい凛とした空気の中で蓮の花が咲く風景は幻想的ですね。
鷹乃学習
たかわざをならう。三十三侯。小暑の末侯。
期間
7月17日から7月22日。
侯の意味
今年産まれた鷹が成長し、飛び方や餌の取り方を覚えて空を舞うようになり独り立ちしていく頃。
小暑の行事
七夕
本来、七夕は「しちせき」と読む。7月7日の夜に、天の川をはさんで年に一度、織姫と彦星が会うことができるという伝説にちなんだ行事。織姫のモデルである織女星(天体上のベガ)は機織りをする女性であり、棚機女(たなばたつめ)とも呼ばれることから、七夕のことを「たなばた」を呼ばれるようになったという説があります。この日に飾る七夕飾りは、笹竹に願い事を記した短冊や吹き流し、提灯、菱飾りなど紙で作った飾り物をつるして軒先に立てかける習わしである。以前は、七夕が終わると七夕飾りを近くの川や海に流すことで身を清めるとされていたが、最近は環境問題の観点から川や海へ流すことは行われていないと考えられます。吹き流しは織姫が織った織物を、提灯は夜空を照らす提灯を、菱飾りは星が連なったもので天の川を表している。短冊への願い事は、学問や文字の上達を願って書くのが本来の願いであったとされます。
子供の頃、短冊に書く願い事を考えるのが楽しかった思い出です。
暑中見舞い
小暑から立秋までの間に、お世話になっている人やしばらく会っていない人に出す挨拶の便り。
暑中見舞いの挨拶から書き始めて、相手の安否や近況を訪ねたり、こちらの近況報告をして、相手の健康を祈る言葉で締めるのが一般的な形式。年賀状と並ぶ季節の挨拶を行う郵便制度を利用した習わし。暑い季節ながら、暑中見舞いのはがきが届くと清々しい冷涼感を感じるのは気のせいでしょうか。
私たちの年代になると、暑中お見舞いと聞くと、キャンディーズの歌を連想するなぁ。
若い世代には、わからないだろうなぁ。
桃葉湯
暑気払いのためにお風呂に桃の葉を入れて入ること。夏の暑さで汗をかいてあせもになったり、夏に多い虫による虫刺されに効くとされています。
桃葉湯って、知りませんでした。暑い夏のお風呂でさっぱりしそうな感じがするので、今度やってみようかしら。
小暑に行われる祭り
那智の火祭り
那智の滝で有名な和歌山県の那智大社で行われる祭り。那智大社に祀られる十二柱が年に一度、那智の滝に戻る様子を表した祭り。滝を模したとされる扇神輿に神々を遷し、本社から滝への参道を移動する。御火行事で夜の闇の中を火の粉を散らしながらの大松明での参道を清める様は壮観である。
この頃の生き物・食べ物
植物
- 蓮の花
- 枝豆
動物
- 鷹
- ウマヅラハギ
食べ物
- 鰻の蒲焼
- そうめん
- 枝豆
- ウニ
この頃のことば
- 暑気払い・・・元は暑さを払い除ける意味の言葉でしたが、今では暑さを紛らわせるために冷たいビールを飲みながら仲間内での宴会などを指す意味で使われます。
この頃に使える時候の挨拶
- 七夕飾りが軒先に揺れております。
- 暑さ厳しき折でございますが、お元気でしょうか。
- 蝉の声が聞こえる季節となり、
- 夏祭りのにぎわうころ、
- 花火の音が聞こえる季節となりました。